なぜそうなるか
新しい電力会社と契約する前に——資源エネルギー庁は「電気事業法に基づき登録されている事業者かどうか」をまず確かめるよう書いていました
電気の契約先を変えませんか、という案内が、郵便やインターネットで届くことがあります。聞き慣れない社名であることも少なくありません。
2016年4月からは、家庭の電気も、売り手を選べるようになりました。資源エネルギー庁の頁は、この変化を「電力の小売全面自由化」と呼んでいます。
選べる先が増えると、次に浮かぶのは、その会社を信じてよいのか、という問いです。契約してから困らないために、何を見ておけばよいのでしょうか。
資源エネルギー庁は、この問いに「よくある質問」の頁で答えています。答えの最初に挙がっていたのは、料金の安さではなく、登録の有無でした。
この記事では、資源エネルギー庁の3つの頁と、電気事業法の条文を読み、書かれていることを並べました。頁と条文は、2026年9月26日に読んだものです。
扱うのは、契約の前に確かめる決まりだけです。どの電力会社がよいか、どの料金プランが得かは扱いません。
・電気を家庭に売る事業には、経済産業大臣の登録が要る
・登録された事業者は、資源エネルギー庁の一覧で確かめられる
・事業者には、契約の前に料金などを説明し、書面を渡す義務がある
・今の電力会社の解約は、切り替え先が代わりに手続きできる
・料金プランによっては、解約金が発生することがある
電気を売る会社は、誰でもなれる?
聞いたことのない電力会社から、勧誘が来たけれど……
小売電気事業を営もうとする者は、経済産業大臣の登録を受けなければならない。
資源エネルギー庁の「よくある質問」も、事業者を見極めるときの最初の点に、この登録を挙げています。
まず、小売電気事業者が、電気事業法に基づき登録されている事業者かどうかを確認してください。登録を受けた事業者かどうかは、資源エネルギー庁のホームページにおいて公表しています。
登録されているかは、どこで確かめる?
登録の有無は、どうやって調べればいい?
一覧には、登録番号、氏名又は名称、法人番号、本社の住所、代表者、登録年月日の欄があります。2026年9月26日に開いたときの見出しは、令和8年9月14日現在で計820事業者、と書いていました。
一覧は、ある日付の時点の表です。手元の勧誘の社名が見当たらないとき、それだけで登録が無いとは言えません。この記事では、そこまでは判断していません。
一覧で見られる主な欄
| 欄 | 何が書かれているか |
|---|---|
| 登録番号 | 事業者ごとの番号 |
| 氏名又は名称 | 事業者の名前 |
| 法人番号 | 事業者の法人番号 |
| 住所(本社) | 本社の所在地 |
| 登録年月日 | 登録を受けた日 |
契約の前に、何を説明してもらえる?
電話で勧められて、そのまま決めてしまってもいい?
当該小売供給に係る料金その他の供給条件について、その者に説明しなければならない。
同じ条の第2項は、説明をするときに書面を交付することも求めています。「よくある質問」も、この義務に触れていました。
小売電気事業者には、料金を含む供給条件の書面による説明義務が電気事業法上課されていますので、その内容を確認してください。
契約を結んだあとにも、書面の決まりがあります。第2条の14は、事業者の名称や契約年月日などを書いた書面の交付を定めています。
遅滞なく、その者に対し、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
今の電力会社の解約は、自分でする?
今の電力会社にも、解約の連絡を入れないといけない?
なお、現在契約している地域の電力会社への解約手続きは、消費者の同意に基づき、切り替え先の電力会社が手続きを行うことが可能です。
切り替えにかかる日数の目安も、同じ頁にあります。スマートメーターへの交換工事が要る場合はおよそ2週間程度、要らない場合は、次のように書いていました。
交換工事が不要である場合はおよそ4日程度
具体的な切り替え日は、個別の契約によるとも書かれています。
解約金は、かかる?
乗り換えたら、違約金のようなものを取られる?
料金プランによっては、解約金が発生することがありますので、契約締結前によく御確認いただください。
契約したあとで困ったときの相談先についても、「よくある質問」は順番を書いています。
まずは小売電気事業者へお問合せください。また、電力取引監視等委員会事務局にも相談窓口があります。
よくある質問
自分が今もらっている勧誘の会社が登録されているかは、この記事で分かりますか
この記事では判断できません。資源エネルギー庁の「登録小売電気事業者一覧」で、社名や登録番号を確かめてください。一覧は日付ごとの表なので、その日付も見てください。
電力会社を変えると、停電が増えますか
資源エネルギー庁の「よくある質問」は、今ある送配電網を使うので新たに電線を引くことにはならず、電気の品質や信頼性はどの会社から買っても同じだと答えています。
どの電力会社が安いかは、この記事で分かりますか
分かりません。この記事は料金の比較をしていません。料金の仕組みは、資源エネルギー庁の頁にも説明があります。
この整理が変わる条件
- 電気事業法が改められた場合(本記事は2026年9月26日に e-Gov で読んだ条文によるもの)
- 資源エネルギー庁の頁が書き換えられた場合(登録の一覧は日付ごとに更新される表です)
- マンションで一括して電気を買う契約がある場合(「よくある質問」は、その契約や規約で制限される場合があると書いています)
・電気を家庭に売る事業には、経済産業大臣の登録が要る
・登録の有無は、資源エネルギー庁の一覧で確かめられる
・契約の前に、料金などの説明と書面を受け取る
・今の電力会社の解約は、切り替え先が手続きできる
・料金プランによっては、解約金が発生することがある
出典
- 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第2条の2・第2条の13・第2条の14(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170
- 資源エネルギー庁「よくある質問」(電力小売全面自由化) https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/electricity_liberalization/faq/
- 資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/electricity_liberalization/step/
- 資源エネルギー庁「料金の仕組みと料金メニュー例のご紹介」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/electricity_liberalization/supply/
- 資源エネルギー庁「登録小売電気事業者一覧」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/retailers_list/
切り替えの申し込みをする前に、受け取った説明の書面で料金と契約解除の条件を確かめてください。
当方が上の出典を引いて確かめた日: